国土地図株式会社

横臥柱状節理の絶壁 筑紫森

夏の匂いが少なくなり、秋に向かう季節になり日中の気温差も出てきました。今回は秋田市の主峰「太平山」の麓にある柱状節理の岩山、「筑紫森」へ行き岩や観音様を拝見しに登りました。「筑紫森」は以前、紹介した「岩谷山」のすぐ隣あり「太平山」と同じく山岳信仰の霊地であり、表参道、裏参道、三十三観音巡りと三種類の参道があり道中には特徴的な「岩」や鎖場、「天狗の油こぼし」、「天狗の相撲取り場」という名称がついた絶壁箇所、大岩などがあり標高が低い山ではありますが、手軽にボリュームがある山を体験することができます。

筑紫森登山道入り口には大きい看板がありますので迷う事はありません。登山口に着くまでは狭い舗装道なので運転には注意しなければなりません。

(筑紫森登山道入り口)

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筑紫森登山口には大きな案内板がありますので、ここで山頂に至るまでの大方の道のりを知る事ができます。看板を見れば表参道コース、裏参道コース、三十三観音コースが記載されています。私は表参道から筑紫森に登り、山頂の裏手から裏参道を辿り絶壁「千本垂木」を拝見し、下山は三十三観音コース、裏参道コース(整備された)で下山しました。

(筑紫森案内板)

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いざ表参道に入りしばらく行くと、参道脇に古い案内板を見つけました。相当前に書かれたのか、字を読むのも難しいです。

(筑紫森古い道標)

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道標を通過し、広葉樹と針葉樹林が混生する林を一登りすると明るい台地に着きました。ここの台地はから山頂にかけては筑紫森特有の岩登りの急坂が始まります。道端には明治の年に設置された標柱がありました。観音様が多数確認されている筑紫森ですので何か意味があるのでしょうか?

(明治時代の標柱)

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台地を後にし、筑紫森山頂に向かいます。この日は晴れていましたが、雨の日や雨上がりの日に登山をしますと大変滑りやすいので気をつけていきましょう。

(鎖表参道)

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鎖場の登山道が終えると長方形の形をした岩が、登山道に現れてきます。この岩が筑紫森特有の「横臥柱状節理」と言われる流紋岩です。筑紫森、全山がこの岩で形成されています。国の天然記念物にも登録されている岩です。

(長方形の岩群)

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足下に長方形の流紋岩が現れると「天狗の油こぼし」といわれる岩壁が現れます。「天狗の油こぼし」という呼び名は、大昔に天狗が筑紫森のこの岩壁に油を撒き、里にいる人々を筑紫森山頂によせつけなかったという伝説があります。表参道はこの岩壁のすぐ横を通りますが、幅が20cm程の崖の上を歩くので注意が必要です。

(天狗の油こぼし)

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「天狗の油こぼし」の難所を過ぎるとまもなく筑紫森山頂に到着します。山頂にも長方形の流紋岩が重なっています。山頂からは空気が澄んでいる日であれば、遠くに日本海や大曲市内方面の眺望ができます。また筑紫森を始め、隣の岩谷山の二山では蝶が多く見られ、昆虫採集に来る人もいます。

(筑紫森山頂)

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筑紫森山頂を後にし、いよいよ「千本垂木」に向かいます。千本垂木に向かう登山道は表参道と比べ歩く人が少なく、道も狭く苔むした岩がある道なので足下の注意が必要になります。

(千本垂木へ)

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道中には観音様が鎮座しています。筑紫森にある観音様は南西斜面と北東斜面の合計を合わせて33体鎮座し、千本垂木に向かう裏参道沿いには約20体の観音様がありますが、千本垂木から先の参道は崩落や落石のため観音様を拝見することができず、そのうえ、通行止めになっています。

(観音様)

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千本垂木に到着しました。訪れる人が少ないのか、看板周辺には草木が茂っていました。看板では河辺町と記載されていますが、現在は秋田市に合併され河辺町は廃止されました。

(千本垂木)

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看板より上を見上げると、確かに筑紫森全体が横臥柱状節理で形成されている事が分かります。よくよく観察してみると所々にロッククライミングの際、利用した錆び付いたハーケンの跡がありました。岩石を保護する前は秋田県内や他県のロッククライマーが来て賑わっていたことでしょう。

(絶壁)

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千本垂木の絶壁を見た後は三十三観音コースで筑紫森山頂直下の台地に戻りたいとい思います。千本垂木の手前には「天狗の相撲取り場」という台形状の奇岩がありますが、残念ながらこの奇岩には苔が多く、立つには困難でした。

(天狗の相撲取り場)

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帰りの三十三観音コースも岩壁の横を歩く道です。頭上の岩に注意しながら下山しましょう。こちらのコースは人が歩いているので整備されていますが、苔むした岩が多くあるので転倒には要注意です。

(三十三観音コース)

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筑紫森山頂直下の台地に戻り、整備が入っている裏参道をたどり登山口に戻ります。登山口に近づくと三内富士、「岩谷山」を眺めることができました。

(三内富士岩谷山)

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帰りに筑紫森の麓にある秋田県が運営している「岩見ダム」に寄り、登った筑紫森を眺め、家路につきました。

(岩見ダムと筑紫森)

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(背景は地理院地図)

(I. S.)